Hkousunの垂れ流し

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メダロットS 6部9章&10章感想

メダロットSメインストーリーの9章と10章の感想。

メインシナリオ6部8章感想 - Hkousunの垂れ流し

↑は前章の感想。こちらもあわせてどうぞ

 

 

【ルールの後出しとは汚いなさすがラナンキュラきたない】
ラナンキュラ、単純に面白くないという理由で立て籠もり禁止のルールを後出し
参加者の創意工夫を肯定できないのも、自分の詰めの甘さを認められないのもGMとしては三流以下だぞっ……!
これだからお前はメスガキなんだよッ!! 反省しろ、オラッ!!

というのはさて置き、立て籠もり禁止で逃げ道を塞がれた生徒たち
戦う意思のある面子はともかくそうでない生徒たちにはこの上なく辛い状況だろう
他にも放送室に念入りに罠を仕掛けていたり、牢屋の周りはがっつり守りを固めていたりと勝ち筋潰しは入念

ただ、終盤になって待つのに飽きたみたいな理由でひょっこり出てきてロボトルを仕掛けるのはうーん
いやまあ、こういう事をやるかやらないかで言ったらやるタイプではあるし、タイミング的に全戦力を投入すべきタイミングで実のところ強がりではあると思うのだけれど
結局、何だかんだと好き放題やった上できっちり逃げるし、こいつに関わるとなんもかもすっきりしないなぁwww


【各キャラの活躍】
主人公ズ
中庭に突撃して捕まった生徒たちを解放した後でラナンキュラを追いかける
主力ではあるが決定力ではなく、結局ラナンキュラに良いように振り回された感じも無きにしも非ず
シナリオ的にはバラバラ団の紹介みたいな部でもあったが故、というのはあるがちょっとすっきりしないな、というのも確か
こっちから攻めた時もスズキの指示に従ってただけという感も否めないしね


ギャラクシーキャッツ
どうやらゲーム開始時に数名の生徒を救出した後、アラセ達が中庭に突撃するまで逃げ回っていた模様
ノゾミ、エータ、ビータの他にもアラセのクラスメイトのユウナとエミコなども同行していたらしく、ユウナの愛機アンジェが大活躍
多分、今まで逃げ回っていた割に消耗がなさそうなのもアンジェの回復とコキハナダのリペアプラントが大きいんじゃなかろうか?

格闘アタッカーのキルマシラ、射撃アタッカーのガートアルパル・ミネルーヴァー・イルマシラ、でヒーラーのリバイブアンジェ(+α)
フリーズショット持ちが2体いるので相手の手数を減らす事も出来る。攻撃一辺倒の主人公ズよりも遥かにパーティバランスが良い
この戦力を終盤まで守り通し、局面を見極めてしかるべきタイミングで突撃してきた活躍は大きく、スズキを除けばMVPかも?


スズキ
実質的な盤面の支配者の一人。というよりも事実上のラナンキュラの対戦相手と言っても過言ではないか?
今回は全く姿を現すことなく指揮をとりながらも追手を撒く大活躍
最終的な勝利のためなら一時的に誰かを捨て駒にすることも躊躇しない辺り、中学生と言うかもはや堅気じゃない
彼に関してはやっぱり「強めのモブ」では済ませられない存在感。現状では何者かは全く不明ではあるが……


三部長
ゲンスケは捕まってしまい、カズトとマスヒロはアラセ達とタイミングを合わせて中庭の牢屋へ決死の突撃を敢行
イク乱入やスズキの作戦などに助けられつつも、無事中庭に到達してチームのリーダーとして奮戦するカズト
マスヒロは戦力としては厳しいものの、奪われたメダロッチの隠し場所を見つけるファインプレー

そして、人質のメダルが手元に戻ってしまえばあとはもうスーパーゲンスケタイム
生身の人間の暴力でメダロットを無力化するという無体な力を見せつけつつ、復活するゲンスケと山岳部部員たち
加えてメダロッチが見つかった≒その場にいた全員が戦力になるという事でもあり、一気に形勢逆転
やはり三部長はとても頼りになる

古今東西、捕虜をどう扱うかというのは実に難しい問題で、せめてメダロッチの何割かは別の場所で管理すべきだったか
ただ、中庭に集約させていたのは「ラナンキュラなりにルールを守っていた」という事でもあるのかも知れない


いつモブ(いつものモブクラスメイト達)
ほぼ全員捕まっていたものの、ノゾミと一緒に(あるいはメダロッチを取り戻して)終盤の中庭での乱戦に参加して勝利に貢献
個人的に非常にポイントが高かったのはアンジェの回復で主戦力が一気に体勢を立て直せたところ
ここに至るまで「スラフシステムの回復が追い付かない消耗戦」を念入りに描写していただけにここの説得力が素晴らしい

Sではパーツにもレベル由来の性能差があるが、歴代作品ではそういった差はないし、ストーリーでも言及されることはなかったはず
なので、状況に対して適切な戦力を適切に運用すればモブの愛機だろうが、攻撃パーツが無かろうが活躍できる
簡単に言うものの、これをシナリオに反映させるには各パーツの性能を把握しておく必要がある訳で、ライターには結構な負担
これをしっかり描写できるのは平野先生ならではよね。あと、事前にパーツの性能を把握できる必要もあるので制作環境にも影響される


管弦楽
ラニシくんのせいで一度は瓦解するも中庭にて再起。でも、マリカ部長の曇るところは見てみたかったよね?
主人公ズもそうだけど、割と活躍していたキャラが引き続き戦力として活躍するのは特筆すべき事でもないのでちょっと語りづらい


史学部
6部では色々と引っ掻き回してくれたフミアキも、不憫可愛いマナカも良い塩梅に活躍
特にフミアキは攻撃パーツを持たず、理屈っぽいが臆病で口先だけなのをバグブレッドに指摘されたのを機に奮起
壁役として2度3度とアラセ達の後ろを守る活躍を見せた。パートナーがドンドグーなのも非常に良き

攻撃性能こそないものの、貴重な脚部特性と火薬・光学・重力ガードを使える決して弱くはない機体である
(ゴーストやツジギリ、クロスショックが席巻するSの現環境では全く活躍の場がないという話はさて置き)
作中の人物が機体の頭数を揃えるとなると最終的に流通量の多い市販品に頼る事になるのが自然というのも鑑みると
あの世界で普通にロボトルしていてゴーストやツジギリと対面する機会は少なく、普段目にする最大火力は光学パーツだろう
それに無効化は出来ずともライフルやソードであれば1発2発は受けられる筈

「自分が評価されたい」という欲と臆病さを振り切ることさえできればメダロットは応えてくれる、という非常に良い展開


先生たち
イクやムーンシャドウと同様に後から参戦
一見すると地味な活躍ではあるが大事なのはラナンキュラの勝利の方程式に含まれていない存在、という事
基本的に外的要因が増えれば増える程にラナンキュラは不利に、アラセ達(と言うかスズキ)は有利になる

何よりキイノ先生も教頭先生も「信頼できる大人である」というのが重要(例えば十文字先生だと害しかない)
もちろん、頼れる人が居ないならいないなりにやるしかねえべという人もいるにはいるだろう
が、そうでもない生徒もいると考えると中庭から逃げる段階で「大人がいることで落ち着く」という効果は無視できない


イク
ここに来て一気に事態の中心的なポジションに
ムーンシャドウ曰く、過去にイヴィルレックスを見かけたことがあるらしく、彼の父親がバラバラ団に関わりのある人物の模様
また、Sメダルに関しても恐らくバグブレッドに誤った情報を吹き込まれていたらしいとのこと
Sメダルに関する誤解が解け、父親との関係次第ではバラバラ団を追う理由も十分
性格的にもアラセ達と協力関係になるにはまだ時間がかかるとは思うが、次からは立ち位置がかなり変わりそう

あと、イクの父親が研究者っぽいのも妙に納得のいく部分があって、レッドゲイルってリミッター弄られてるよね?
他のメダロット達に比べて人間を傷つける、不可抗力で怪我をさせる事に対する抵抗やペナルティが明らかに軽いように見える
リミッターに関する研究がどの程度一般的なものかは不明だけど、下手するとイクパパもヘベレケの弟子まであり得るかも知れない


【お間抜けムーンシャドウ】
かつて愛機との別離が原因でやけを起こしていたところを顔が良いという理由でバラバラ団のボスに拾われたことが判明
しかもその素顔は平野先生から「発注してないからないゾ」というとんでもない事実を突きつけれてしまうオマケつき
加えてせっかく参戦するも主な活躍が「初歩的なトラップに引っかかって気絶」「雑な脅しに乗ってアラセと交戦」など確かに間抜け
何なら部下連中はしっかり仕事しているのが余計になんと言うか、間抜け感を際立たせているまである

そんなムーンシャドウくん。拒否権ガン無視でシェルメダルのパートナーに選ばれてしまい、さらなる心労を抱える羽目に
加えて当のシェルメダルの性格が軽すぎるのが面白い。長く生きているみたいだし、口調的にももう少し厳格かと思ってたよ
ノリが概ね「数百年ぶりに目を覚まして現代の街並みを目の当たりにしたのじゃロリ系妖怪」とかのそれでとてもカワヨ
ただ、別れの辛さとかそんなものを気にする気配は微塵もなくて、ムーンシャドウの心中を察しても一言で片づける辺りは色々と別格

異なる種族同士の絆である以上、与えられた時間の違いというテーマは割と過去作でもSでもついて回った部分な訳だけど
そこをこの軽いノリで流してくれる上に「目覚めたてだからおまえさんの寿命より活動期間長いよ」とか言う明後日の配慮まで見せる始末
メダルという種族の生態も、人間の感情(多分共感はしてない)も理解した上でただ今生を楽しむためにパートナーを求めてやがる
メダロッターがマスターというのが基本な訳だけど、シェルメダルにとっては表向きはどうあれ人間側がペットみたいなものんなんだろう

また、シェルメダルの能力は「殻を破らせる」というもので、要するに「周囲の人物に成長を促す」力でもある
この能力を鑑みると前の能天気さも納得で、この力で成長した人達との良い別れを積み重ねた結果こういう性格になったのだろう
「成長を促す」というのもあいまいな表現だが、自分は「前向きな精神状態にする」くらいに解釈している
雑に言えば存在自体が抗うつ剤。人間の精神状態なんて良くも悪くも脳内物質やホルモンバランスなんてものに左右される訳で
ここに干渉する事でほんの少し、しかし常に近くにいる人の心をポジティブにし続ける能力。地味だけどとんでもない能力

こんなとんでもないメダルと出会ってしまったからには……数か月もすればムーンシャドウもハロウィンを満喫する陽キャになる事間違いなし!


【バラバラ団の背後にいるもの】
ラナンキュラやムーンシャドウと言った幹部に加えて、バグブレッド(ストライプワーム)などやべー奴ら揃いのバラバラ団
どうも組織として統一された目的があるのかも怪しく、幹部どころか団員に至るまで各々の目的すらもバラバラの可能性すらある
(ラナンキュラは遊びたい、ムーンシャドウはかつての相棒の復活かな?、ムーンシャドウの部下は恩返し?、バグブレッドはロリコン拗らせ)
そんなまとまりのなさそうな組織だが今のところ、登場した人物以外で見え隠れする部分は以下

・ラナンキュラに「姉さま」と呼ばれる人物がおり、この人物がバラバラ団のボスと思われる
・イクの父親がバラバラ団に何かしらの形で関わっている可能性がある
・ヘベレケは今のところバラバラ団に噛んでいる気配はない

現状明らかになっている情報ではまあ、正直なんも分からんね!!


【ゲームが終わって】
6部全体を通してバラバラ団、という組織の紹介みたいなエピソード
なので、ラナンキュラとの決着も諸々の謎が明かされるという事もないので何度か述べた通りちょっとすっきりしない感じではある

しかし、とにかく大勢のキャラが機体が暴れまわる乱戦模様は見ごたえ抜群!
攻撃パーツ以外の機能や脚部特性に至るまで「メダロット」を最大限に活かしての戦い
これはもうメダロットを用いた能力バトル」の模範解答と言っても過言ではない代物じゃなかろうか?

加えて多くのキャラやメダロットとの掛け合いもテンポよく、にぎやかで見ていて楽しい
主要キャラだけじゃなくてモブみたいな面子ひとりひとりにも人間関係やパートナーとの絆がある
当り前だけど、それを形にするのは物凄く難しいし、下手に手を付けてもただとっ散らかるだけの非常に難しいテーマ

多忙な中でこれらの難題に果敢に挑戦してシナリオを届けてくれた平野先生にはひたすら感謝
6部を最後にメインシナリオからは離れる、とのことだけど最初期からメダロットに関わっていただけあって解像度が桁違い
今後も機会があればまた平野先生のシナリオを読みたいところ